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なぜかここの扉はドアノブを引くようになっていた。普通はガラガラと開くタイプの扉だろう。ここは特別な部屋だったのだろうか…そんなことを思いながら俺は部屋に入った。
部屋に入ると姉ちゃんがすぐそこにいた。
「純くん!遅いっ!何秒待ったと思ってるの!?」
なんかすごーく怒ってるし…集合時間までまだ10分もあるし、遅いわけはないよな………ん?ちょっとまてよ、『何秒待ったと思ってるの!?』って言ったよな…
「えーっと、あのー姉ちゃん?」
「なによ?」
「いつここに来たのかな?」
俺は姉ちゃんを問い詰めながらゆっくりと姉ちゃんに近づく。
「んーと…30秒くらい前かな?」
俺は姉ちゃんの頭に何回もチョップし続ける。
「ぜんぜん遅くないじゃん!てかほとんど一緒じゃん!」
姉ちゃんは目をウルウルさせながらこっちを向いた。
「……ううぅ、学校ではクラスが違うから会えないし寂しかったんだよ~」
半泣きの姉ちゃんは俺のシャツを掴みながら床に膝をつけてもだえている。
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