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「何の話してるんですか?」
「おわぁ!びっくりした!」
飛び上がる駿
そんな駿の様子に面食らいながら彼の背後に目を移す。そこにはいつの間にか駿よりも一回りも二回りも小さな小動物的人物が立っている
「真菜、お前、講義はどうした?」
「抜けてきちゃいましたよ。だって気になったんですもん」
真菜ちゃんはにっこり白い歯を見せる
見せながら、駿の服のすそをつかんで、もてあそんでいる
いや、もてあそんでいるというか、くっついている。まごうことなき、くっついている
「………」
そんな様子を見て、やっぱり心のどこかに猜疑心がないわけではない
でも『恋人同士』というよりは『親友同士』とか『兄妹』のようなイメージのほうが強いような気もする
だから、余計にすっきりしない
確かに駿は、俺の言っていたことを否定したけれど
真菜ちゃんにとっては、どうなのだろう?
「あ、そうだ。森先輩」
「な、何!?」
内心で、そんなことを考えていたものだから、いきなり声をかけられたときの反応は、こんな風に敏感になってしまう
真菜ちゃんは、そんな俺の反応に少し面食らいながらも、ずいっと俺のほうに顔を近づけてきた
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