episode 001

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叶え屋は、悠華を長く黒いコートに隠すと抱えて、近くの公園へと移動した。 悠華をその辺の木に、裸のまま磔にする。 「やっ、やめて!お願い!!」 悠華は、泣きながら懇願した。 「お願い?今、他の願いを叶えてる最中なんだ。今は願い事は聞けない。だから、なんでこんな事になってるかは、教えてあげる…。」 叶え屋は、悠華にウィンクした。 「お姉さんの恋人の奥さんからの願い。お姉さんに制裁を加えてくれって…死をもってね…。」 「死…わ、私、死、死にたくない!!」 「それは無理。叶え客は苦しんだ。だから、あなたは死んで報いるんだ。…そうだなあ。せっかくだから、少し遊ぼう!」 叶え屋は、その辺にあった木の棒を、悠華の中へ挿す。 「い、嫌!!やめて!」 「…お前、どんだけ叶え客が苦しくて、やめてほしいと思ったか知らないだろ。その苦しみが解るように、このまま死ね。」 叶え屋は、悠華の顎を掴み口を開けさせ、何かを飲ませる。 「な、何を飲ませたの?!」 「毒薬。ちょっとだけ媚薬入りのね。俺の仕事はもう終わったし、快楽と絶望の中、苦しみながら逝きなよ…磯崎悠華さん。」 「あ…ああ…。」 涙目な悠華に対し、叶え屋は冷たく言い放つと、カウントダウンを始めた。 「5…」 「や…嫌…」 「4…」 「助けて!」 「3…」 「だ、駄目!!」 「2…」 「もう…」 「1…」 「キャー!!」 「0…」 「…。」 叶え屋は、ぐったりした悠華の脈を確認する。 「…2時33分。悪魔の願いは叶った…。」
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