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叶え屋は、悠華を長く黒いコートに隠すと抱えて、近くの公園へと移動した。
悠華をその辺の木に、裸のまま磔にする。
「やっ、やめて!お願い!!」
悠華は、泣きながら懇願した。
「お願い?今、他の願いを叶えてる最中なんだ。今は願い事は聞けない。だから、なんでこんな事になってるかは、教えてあげる…。」
叶え屋は、悠華にウィンクした。
「お姉さんの恋人の奥さんからの願い。お姉さんに制裁を加えてくれって…死をもってね…。」
「死…わ、私、死、死にたくない!!」
「それは無理。叶え客は苦しんだ。だから、あなたは死んで報いるんだ。…そうだなあ。せっかくだから、少し遊ぼう!」
叶え屋は、その辺にあった木の棒を、悠華の中へ挿す。
「い、嫌!!やめて!」
「…お前、どんだけ叶え客が苦しくて、やめてほしいと思ったか知らないだろ。その苦しみが解るように、このまま死ね。」
叶え屋は、悠華の顎を掴み口を開けさせ、何かを飲ませる。
「な、何を飲ませたの?!」
「毒薬。ちょっとだけ媚薬入りのね。俺の仕事はもう終わったし、快楽と絶望の中、苦しみながら逝きなよ…磯崎悠華さん。」
「あ…ああ…。」
涙目な悠華に対し、叶え屋は冷たく言い放つと、カウントダウンを始めた。
「5…」
「や…嫌…」
「4…」
「助けて!」
「3…」
「だ、駄目!!」
「2…」
「もう…」
「1…」
「キャー!!」
「0…」
「…。」
叶え屋は、ぐったりした悠華の脈を確認する。
「…2時33分。悪魔の願いは叶った…。」
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