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叶え屋は、ジッと大貫の言葉を待っている。
「…私の願いは叶うのか?お前は、一体何者だ!」
「叶え屋…。」
「叶え屋?」
「俺は、非科学的な願い事は引き受けないが、自分では出来ないことを俺が代わりに、報酬さえくれればやってやる…例えば復讐とか、殺人をね…。」
「…。」
「決めるのはあんただ。さあ、どうする?」
「…本当に、何でもやるのか?」
「ああ。」
「じゃあ、ここでは話せない。事務所に行こう。」
「で、あんたの願いは?」
「元秘書である男に、昔の資金横領がバレた。それを知っていて、奴は私を強請ってきた。その元秘書…田邊剛士(たなべつよし)の殺人と、私の横領の証拠である資料なんか全てを処分してくれ。」
「…わかった。報酬額は1千万。」
「いっ、1千万?!」
「払わないなら、俺はやらない。」
「…金は用意する。やってくれ。」
「金は実行前に貰う。やってから払わない輩がいるんでね。」
「わかったよ。」
「金は一週間後に。その後、すぐに実行する。」
「頼む。」
一週間後、大貫一二三から一千万を受け取ると、叶え屋は、元秘書である田邊剛士に接触するために準備を始めた。
田邊剛士は現在無職で、毎日家にいる。この日、一気に仕事を終了させるため、23時になると、田邊剛士の部屋へと、黒ずくめの格好で訪れた…。
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