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叶え屋は、ポケットから薬を取り出し、辻本の口元へと持っていく。
「な、なんだよ。それ。」
「これは毒薬。これを飲んで死ぬか、警察に出頭してまともになるか…。選べ。」
「そ、そんな!話が違う!!俺はどっちも嫌だ!」
叶え屋は、呆れたように溜め息をつくと、ガシガシと頭を掻いた。
「あのなあ…お前は俺に払う金がない。報酬は貰うと言ったはずだ。金のないお前を殺さないと、俺的には気が済まない位のタダ働き。それを、警察に出頭する方を選ばせてやるって言ってんだ。人生そんな甘くねえ。人生なめんな。さあ、選べ!!」
辻本は、その場にへたり込む。
「わかった…麻薬の罪を認めるよ。」
「嘘をついたら、俺はお前を殺しに行くぞ。」
「ああ…。」
辻本はその日、警察へと麻薬取り引きをしていた事を自首するため、出頭した…。
「ムーン、ただいま。寒かったね。ミルクを温めるよ。」
「ニャー!」
「なんでか、今日は良い事をしてしまったよ。この俺が…笑っちゃうだろ?」
「ニャーニャン!」
「ホントに?笑わないかい?ありがとう。君は優しい黒猫だね、ムーン。明日は、どんな願い事だろうね。」
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