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「パパ!お仕事行ってらっしゃい!!」
「行ってきます!おじいちゃん達の言うこと聞くんだぞー?!」
「はーい!」
これが、この物語に出て来る一人の青年が、父親と最後にした会話であり、朝でもあった…。
「パパ!パパ!僕を置いて逝かないで!死んじゃ嫌だよ!!」
叶え屋…人の願い事を叶える事を仕事としている裏の世界に生きる人間。
殺人でも、なんでもやる…。
「叶え屋…僕、パパの仇を討つためにも、警察官になる!」
少年は、父親に誓った。その様子を、黒ずくめの幼い子が見ていた。
「あーあ。まさか警察がいるとはね。どっから情報聞いたか知らないけど…まあ、運が悪かったんだ。悪く思うなよ?ちゃんと成仏して下さい…っと。これで良しと。」
あの日から数年が経ち、少年は青年へと変わり、警察官になっていた。
「絶対、叶え屋を見付けて捕まえてやる!」
青年は、グッと拳を握りしめた。
昼近く…黒ずくめの人物が、長い髪をボサボサにして起き上がる。
「…さて、今日も働くか…。どんな願い事を叶えよう…。」
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