episode 000

2/2
前へ
/236ページ
次へ
「パパ!お仕事行ってらっしゃい!!」 「行ってきます!おじいちゃん達の言うこと聞くんだぞー?!」 「はーい!」 これが、この物語に出て来る一人の青年が、父親と最後にした会話であり、朝でもあった…。 「パパ!パパ!僕を置いて逝かないで!死んじゃ嫌だよ!!」 叶え屋…人の願い事を叶える事を仕事としている裏の世界に生きる人間。 殺人でも、なんでもやる…。 「叶え屋…僕、パパの仇を討つためにも、警察官になる!」 少年は、父親に誓った。その様子を、黒ずくめの幼い子が見ていた。 「あーあ。まさか警察がいるとはね。どっから情報聞いたか知らないけど…まあ、運が悪かったんだ。悪く思うなよ?ちゃんと成仏して下さい…っと。これで良しと。」 あの日から数年が経ち、少年は青年へと変わり、警察官になっていた。 「絶対、叶え屋を見付けて捕まえてやる!」 青年は、グッと拳を握りしめた。 昼近く…黒ずくめの人物が、長い髪をボサボサにして起き上がる。 「…さて、今日も働くか…。どんな願い事を叶えよう…。」
/236ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加