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ふと、空を見上げた。
私が好きな春空。
その春空もあなたが隣にいないと空っぽに見える。
月日が流れ、私は結婚することになった。
町で桜の木を見るたび、こぼれ落ちる涙。
あのとき交わした笑顔が忘れられない。
私はあの桜の木の下に来ていた。
あなたが旅立つ前の日、二人で約束をしていた。
私はその懐かしい記憶を思い出していた。
気づくと空が暮れて茜色になっていた。
忘れられない想い。
振り向くと桜がひらひらと降っていた。
蘇るあなたと過ごした記憶。
二人が歩いた道は色が鮮やかだったのに、今、私の隣にあなたはいない。
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