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一分くらい時間を置いてから「はーい!」という声が聞こえて門が開く。
「お!やっと来てくれたか!待ちくたびれてダンスの練習してたから疲れたぜ!」
額に汗を浮かべて現れた沖津は制服の俺たちとは対照的にイケイケな私服だった。
なんでこの暑い中、ダンスをしようなんて考えることができるんだよ。
「……舞ってたわけね」
「そのようです」
そう考えるとさっきのループは完全に壊されてしまっていたようだ。
さすがは沖津。空気を読まない。
「じゃあ案内するぜ!ついてきてくれ」
沖津家の離れにある蔵へで向かうわけだが、本当に立派な場所だ。
俺も先輩も周囲をきょろきょろと見回しながらついていく。
「神谷君は以前来たことがあるみたいだけれどどんなところなの?」
あるきながらあれこれ説明するよりもすぐそこにある家のような建物を見てもらったほうが早いだろう。
「これです」
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