2話‐人形

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俺は多分この話も語らないといけないのだろう。 という書き方をすると、「悪い話なのか」と思うかもしれない。 だが、この話の中身はいたって残虐でも、日常が壊れてしまったわけでもない。 ただ、人形が消えて、仲間が増えた。 そんな話だ。 ところで、人間の価値なんてものは考えたことがあるだろうか。 何を評価して、 誰が決めて、 そして誰が許すのだろうか。 きっと人間自身には決められない。 豚や牛、鶏だって自身や同族の価値なんてきめられないだろう。 ならそれでもいいんじゃないか。決めなくても。 この話はあまり気が進まない。その後に待ち受ける悪夢へと続く気がするから。 でも楽しんでくれる人もいるだろう。なら語らせてもらおう。あの四日間の話を…… そして新しい仲間のことを。
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