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前回のあの妖怪事変が起きてから一週間が過ぎ、基本的には普段と変わらない生活に戻ってきていた。
ただし、朝の部活動が始まる前にウィズダムのいる理科室へ行くことが日課となってしまっている。といっても、彼が集めてきた資料をまとめるために働かされているだけだ。
思ったよりも、ウィズダムの手荷物は多くて未整理のものばかりだった。一時的にこの学校の理科室に潜んでいるようだが、それなりに必要なものはあるらしい。
そもそも、資料をまとめるなんて事をしなくてもウィズダムの宝具さえ使えばいつでもどこでもほしい情報を取り出せるというのに。
このくそ暑い中、長袖の服を着ているのになぜか右肩から先の布がちぎれたように存在せずその右手には光る本
これがウィズダムの宝具である。
「ごちゃごちゃ考えてないで、さっさと終わらせてくれよ?一応対価なんだからさ」
「はいはい」
前回の事変の後も一回妖怪が絡む事件が起き、その際の情報・手伝い代金の代わりとしての資料整理。
その事件に関しては特にここでは語らない。別に今は必要ではないので割愛させてもらう。
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