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ねぎらいの言葉を受けて理科室を出る。向かう先は沖津家。 巨大な日本家屋と庭園があり、アパートで一人暮らしの俺からするとうらやましい限りなんだよな。 「……自転車ほしいなぁ」 マイ自転車はちょっとしたことで破損していまやスクラップの身である。移動するのは基本的に徒歩。 時間がかかって仕方ない。 「作ればよいではないか。自転車なんぞ」 妖怪の覇王として君臨していたが、ひょんなことから俺のパートナーとなってしまったワスパードが現れ提案した。 ……また無茶苦茶なことを。 「そんな日曜大工みたいにできるわけないだろ」 「いやいや、わが力を持ってすればできるだろう!」 ワスパードの能力。 物質創造能力。 その力の塊である黒水晶を普段からネックレスにして首から提げて持っている。
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