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と、そんな事情で取り押さえられてから約七時間。
警察に捕まり、あっという間に取り調べ室へと連行され、『お前がやったんだろ』という類いの怒声を飽きる程に聞かされ、純一は完全に疲弊し切っていた。
『あれ』が誰だったのか、況してや、『あれ』が死体だったのかすら判らなかった彼からしてみれば、彼らの『聴取』という名の一方的な『監禁』は、耐え難いものだった。
――というか、アリバイの確認すらしないというのはどういう了見だ。
そんなことを考えながら、純一は虚ろな瞳を自分の足下へと向ける。
――ま、どうせアリバイなんか無いですけどね。
前以て準備をし、朝から宛も無く自転車を走らせ続けていた彼は、特に有名なスポットや監視カメラがありそうな場所に踏み入ることもしていなかった。
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