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基地に着くと何やら中が騒がしいようだった。
「なんだ?騒がしいな」
ヘリを降りた萩平が基地内に目を向けた。
「みぃぃれぇぇぇいぃぃぃ!!!」
一人の女隊員が二人の元へすごいスピードで駆け寄ってきた。
ビッターン!そんな音を立てながら女隊員は魅澪に抱きついた。
「アダァッ!」
「魅澪!魅澪!我の可愛い魅澪!怪我をしたそうじゃな!!我に見せてみよ、どこじゃ!?」
「た、竹取、落ち着け、な?」
すごい剣幕で魅澪に詰め寄る女隊員を萩平が宥める。
彼女の名前は竹取飛鳥。第2隊 上等兵。
魅澪の親友でもある。
飛鳥は殺気だった目で萩平を睨む。
「落ち着けだと!?魅澪が怪我をしたというのに落ち着いてなどいられぬ!!」
独特な口調で飛鳥は反論する。
抱きつかれた衝撃で意識を失いかけていた魅澪が口を開いた。
「飛鳥・・・一応上司の前だ。敬語を使え。因みに怪我は左耳の鼓膜破裂だけだから、心配ない」
「鼓膜じゃと!?嗚呼、魅澪の耳が・・・!!」
飛鳥は興奮しているせいか話を聞いてはくれなかった。
「リーダー、こんなんじゃ話にならないので失礼します。お疲れ様でした」
魅澪は敬礼をすると飛鳥を引きずって建物内に消えていった。
「はぁ、嵐のようだった・・・」
萩平は疲れきった顔で二人の後ろ姿を見つめていた。
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