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昼を告げるチャイムと共に、月は教室から出ていく。それを陽介があわてて追いかけて声を掛ける。
「る~い、待てよ!」
「……」
振り返るも無視して突き進む月に抱きつくように陽介が捕まる。
「…ボクに触らないで」
「いやだねッ!」
「……」
月は屈んでホールドを脱け出し、陽介に回し蹴りを喰らわせた。
「ぐほッ!!」
「うざい」
言えばまたゆっくりと進み、階段に足を上げた。
「ぐぐぐ…待てよ月~」
「……」
タンタン…と規律正しく響く階段を上がる音。そして扉を開ければ、真っ青な空が広がる。
心地よい風。
「月、屋上好きだよな~」
「……」
無視して寝転がる月に、陽介は付き添うように横になった。
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