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『でも俺8月忙しいから遊ぶなら来月かなー』
「わたしも8月はもう予定埋まってるからさー。まぁそのうちだねー」
『ねー………。え?なに?……和泉ー、一緒に飲んでるやつが電話代わりたいってー』
一瞬わたしは固まる。
「い、いやわたし電話基本苦手だしかなーりたどたどしくなるというか………」
しどろもどろになりながらわたしはどうにか代わらない方向に行って欲しくて精一杯の拒否をしようとする。
こちらの精一杯の様子を知ってか知らずか吹き出す清水。
『ぷっ………。知ってるよ、電話が苦手なの。あんだけ高校の時遊んだもんねー?』
見透かされたようでとても恥ずかしい。
…………あんだけ遊んだ、そうだよね。ほんとかなりの頻度だった。一緒に図書館行ったり、花火もしたし、イルミネーションも見た。朝早くからわざわざアニメ見せに来てくれたり、夜遅くまでしゃべったり………。自意識過剰とかじゃなくてかなり仲良かった…と思うよ?
でもわたしが好きって意識し始めてすぐ遠ざかっていったよね?
あれはなかなか傷ついたよ………。
『…………もしもーし?』
「……あっ。ごめん、ちょっとぼーっとしちゃった」
ダメだ考えるとしんみりしちゃう。
『……思い出したくない過去だった?』
清水わたしが今思い出してたの気付いてる。
否定しようとして開いた口を一旦つむぎ言葉を選ぶ。
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