つぎはぎのカタチ

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  先程よりだいぶ暗い場所を選んで腰を下ろす。 そこから道行く人々を見れば、見知った顔がいくつも通り過ぎた。 良かった、場所を変えておいて。 …と思った矢先。 「あれぇ?広瀬くん!?」 賑やかな団体の中の一人と目が合ってしまった。 「マジで!?来てたの?」 「ひとり?」 「何してんの?」 「さっきここを橋本が彼女連れで通らなかった?」 あっという間に男女の団体に囲まれる。 顔を見たら、全員クラスの奴等だった。 「マジで橋本彼女いんの?腹立つ」 「ただのひがみじゃん!」 僕へ質問をしたはずだけど、答える隙を与えない。 まるで自分自身のテンションと会話をしているようで、僕が答えなくてもどんどん話は進んでいく。 「広瀬、今日用事あるとか言ってなかった?」 一人がやっと落ち着いて聞いてきた。 「うん。用事中だけど」 「もしかして待ち合わせ?」 橋本と同じ事を言われた。 独りで意味もなく縁石に座ることは、そんなにおかしいんだろうか。  
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