均衡◇黒羽

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変わらない筈の均衡が破られた。 天界で祝福が行われ様として居た時、ファントムと闇間(イビル)に飲み込まれた人々達と共に天界に昇り攻めて来た。 天界は揺れる。 姿を現したハデスは父神で在る冥界王プルートゥを封じたと、新たな冥界王となったと告げる。 神々に天使達は人々を止める為、イビルを浄化しファントムと刃を交える。 天使達には禁忌が在る。 その一つに神に刃を向けてはならない。 そしてそんな中 「十二守護天使達が…。」 「神に刃を…」 「命を睹して堕ちてっ…。」 人々を止めた時、神ヘルメスにより映し出された光景は闇に覆われた場所で 禁忌を犯かす十二天使達の姿。 神々は天使達は見ていた。 そして嘆く。 「天界を閉じよ!!」 鳴り響くゼウスの声。 神々は鋭く異を唱える。 「十二守護天使の想いを無駄には出来ぬ…。」 拳を握るゼウスにこれ以上は言えなかった。 「…聖杯よ…十二守護天使達の力を封じ、何れは…」 神々は願う。 聖杯は輝き何処からともなく澄んだベルの音が鳴り響く。 それは白き羽を黒く染めた天使達の飲み込まれる時の狭間まで鳴り響く。 そして聖杯は消えた。 「クロノ…閉じて良いよ。」 「はい…。」 狭間は閉じた。 「ヒイナもティアラも幸せそうだね。」 「ミカエル様、私の命を掛けます。」 「クロノ…有り難う。」 クロノは命を賭けた。 「…神々は…。」 大天使ミカエルは大きな姿になり、その羽で十一人の守護天使を包む。 「目覚め、また再び集い共に…」 ミカエルもまた命を賭けた。 そして…天界は扉を閉めた。 冥界王居城…ヘルキャッスル。 「ハデス…プルートゥ様を封じてまで…。」 ファントムの一人…クラウザ。 冥王に仕える六戦士の長。 十二天使達の授かる雷に貫かれ眠りについたハデスを時空の狭間が閉じる瞬間連れ出した。 バンッ!! ゾロゾロと一室に入って来る残りの戦士達。 「ハデス様…何とお痛わしいお姿に…。」 「絶対に許さん…天界も、十二守護天使も!!」 「愛しのハデス様の望みは「冥界の王の隣に座るのはこの私…オーホッホッホッホッ!!」黙りなさいよ!!」 「お目覚めになる日まで…我等は御待ちております。」 他のファントムが騒がしい中、クラウザはプルートゥが封じられ眠る部屋へと向かう。 「…ヘラーお前は考えもしなかっただろうな。だが、こうなった以上…。」 プルートゥを前に拳を握り、部屋を後にする。 そして冥界は静かに陰を放ちながら冥界の王ハデスの目覚の時を…待つ。 永き時を静かに…。
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