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朝、目覚めると既に弟は起き出していて祖父に供えるお茶と母の珈琲を準備していた
『兄ちゃん、ご飯のお供えは?』
『あ、それはご飯炊いた時でええねんで』
『そっか、分かった』
母が毎朝やっていた事
今日からは僕らがやらねばならない
線香に火を灯し僕は昨日の買い物袋を漁る
どんな時でも食べる
それが物事を乗り切る基本だから
サンドイッチを作り食卓に並べるが誰も口にしない
僕は一人サンドイッチを頬張りながら、きっと今日を生きて見せると誓う
負けられない
負けるもんか
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