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小さいころから本を読むのが好きでした。図鑑を眺めるのも好きでしたし、純文学を辞書を引きながら読むのも好きでした。
自分で小説を書いてみようと思ったのは高校生になってからです。
一番最初に書いた物は、支離滅裂で自分で読んでいても訳が分からなかったので、それについて書いたデータもノートも捨てました。二つ目も、三つ目も同じような感じです。
僕は小説を完結させることができませんでした。それを可能とする発想や構成するための技術、何より書き続ける根気がありませんでした。
大学3年になろうとしている今でもひそかに書いてる物があります。しかし、きっとそれらも完結しないままどこかに放置されてしまうだろうと、僕は思っています。
それがとても悲しいことのように思えたのでこの作品を書きました。
だいぶ前に書いた物に少し手を加えたようなものです。これを基に別の作品も書いていますが、上にあるように完結することはないでしょう。
この作品を、今まで考えてきた完結しない物語たちの墓標にでもしようと考えています。
『消失の美学』とは、なんとなく思い浮かんだ僕の造語です。完璧な物、完全な物よりも、何かが欠けていたり、重大な欠点がある方がとても美しく感じます。
作品中の烏のように腕が無い人はとても不便だと思います。でも、だからこそ僕はそういう方々に惹かれてしまいます。
拙い作品ですが、少しでも僕が感じている美しさが伝わると嬉しいです。
2014.3.13 真顔
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