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夕暮れを背負って駆ける、駆ける、駆ける。
海上都市、一日目。陸 海人は追われていた。
「待てや、クソガキぃ」
さっきから、何度目かの台詞を無視して陸は通りを右に折れる。語彙少なっ、てか、待てって言われて待つ奴いねーだろ。そんな事を思いながら通りを右に曲がる。
曲がりながら視界の端でスーツに身を包んだ二人組を捉える。どちらもそのなりに似合わず真っ赤な顔で必死に追いかけてくる。
「次はどっちだよ?」
飛行機のつもりだろうか、両手を広げキャハハと場違いな声で笑っている少女の胴体を左腕で抱え直し、尋ねる。
「う~ん、ひだりっ!」
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