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「では、そろそろ連行させてもらいます。これも任務ですので…」
静かに切られた闘いの火蓋、と同時に距離を詰め少年へと放たれる強烈な掌打。
少女の掌は彼女が地面を蹴った勢いをそのままに、少年が胸元から子犬を引き抜くのと入れ替わりに彼の鳩尾に吸い込まれた。
「うっ…ようしゃな…」
背を丸め、二三歩後ろによろめきながら苦痛に顔を歪める少年の側頭部を容赦なく少女の回し蹴りが襲う。
「がっ……」
自身が放り投げた子犬が少女に受け止められるのを見届けることなく少年の視界を真っ暗な闇が支配した。
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