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鈍い音と共に少年は積み上げられたゴミ袋にたおれこむ。
彼の意識がないのを確認しながら少女がどこかえと携帯で連絡を入れると近くを捜していたのだろう、黒のスーツで身を固めた男たちがすぐさま彼を回収していった。
「結局、最後まで『影』を使いませんでしたか…」
路地に訪れた静寂に独り言葉をつぶやきながら闇に溶け込むように少女の小さな背中が路地の奥に消えていく。
満月に成りきれない月に向かって小さな子犬の小さな欠伸が生まれて消えた。
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