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「まずはこの・・・おっ!?」
グィ━━━━
ダンッ━━━
「あまりこういうこと、したくなかったんですけど仕方が無いってやつですね」
雄仁は桃の両手を掴み床につけ、体を起き上がらせた。
つまり押し倒す形になっていた。
「にひひ、これから起きる行為も必要なことってことで片付けちゃっていいよ」
・・・なるほど。今までの行動の全てが罠だったわけですか。
つまりここで僕が桃ちゃんに手を出すことは必然の流れで、それは桃ちゃんの悪さが招いた結果というわけで僕は当然のことをしたから悪くない。ということです。
だけど、ここで僕が手を出さなければ必然的に桃ちゃんの反撃ということで襲われる。
僕が手を出すか、桃ちゃんが手を出すかの二択ですか。
・・・あれ?そもそもどうしてこんなことになったんだっけ?
原因を忘れ目の前の出来事だけが残ってしまった。
「ほら、お兄ちゃん早く。そんなんじゃあ意気地無しってバカにされるよ」
「で、ですが真っ昼間からその・・・こういうことは」
「分かってないな。夜だから良いとか昼だからダメってそんな常識に当てはめてみんなチャンスを逃がしていくんだよ?」
「・・・たしかに一理あります」
「それにお互い我慢強い方ではないじゃん」
「・・・・・・」
僕だって男だ。
目の前にこんなに可愛い女の子がいれば欲情する。
それは本能でもあり欲望でもある。
ましてやそれが彼女という自分に好意をよせる女の子ならば尚更だ。
しかし、一片の理性がそれらを抑えている。
何度もお世話になった鋼の理性っと言う奴だ。
どうすればいい?どうしたい?どうするべき?
答えの無い空虚な問いが自分の中を巡る。
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