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「ほ、本当に良いんですか?後で脅迫のネタにしたりしませんよね?」
「彼氏を脅迫してどうするの?」
「・・・分かりました」
雄仁は深呼吸を一つし、両手を桃の胸へと動かした。
一度覚悟するとそれまで自分を抑えていたあらゆる物が消えた。
桃ちゃんのすべすべの肌の上を僕の手がゆっくりと動く。
「んふふ、なんか変な気分だよ。他人に触られるって・・・ぽわぽわするね」
「へ、変なこと言わないでくださいよ」
そういう僕だが心臓の鼓動が尋常ではないスピードで動いていた。
ガタン━━━
「もも!!まだぶ・・・じ・・・」
それは予期せぬ出来事だった。
どうして?何故?どういうこと?
勢いよくお風呂の扉を開け放ったのは居るはずのない英理子だった。
フニフニ━━━
重ねて驚いたことに柔らかい物を触りたいという手は止まらずに桃の胸を触っていた。
あ、柔らかい。
「どう・・・して?英理子お姉ちゃん?」
あまりに突然の出来事で桃は驚愕の表情を浮かべ固まっていた。
「・・・ゆ、ゆうとぉぉ!!!!」
雄仁と桃の様子を確認した英理子は叫びながら走り出した。
ダッ━━━━
全力で走ってくる英理子に僕の体は動かなかった。
もっと触りたいと言う欲なのか?それとも英理子に対しての恐怖心なのか?
ただ、頭が真っ白になっていたことはハッキリしていた。
バコンッ━━
当然の如く英理子に蹴り上げられ僕は宙を舞った。
「桃!大丈夫?変なことされなかった?」
ザバァァァン━━━━━
湯の中に飛んだ雄仁に見向きもせず英理子は桃の体を調べた。
「・・・・・・っっ」
桃は目を閉じふるふると体を震わせた。
「怖かったの?そうだよね。はぁぁ、やっぱり行かせるんじゃ「ばかっ!!!」
「え?」
思いがけない一言に英理子は呆気に取られた顔をしていた。
「なんで!?どうして!!邪魔するの!!せっかく、せっかくうっっ・・・わぁぁああ!!」
「え?泣き・・・え、ごめん。ごめんね」
英理子が何度謝っても桃は泣きやむことは無かった。
そんな大事な時に雄仁は湯の中で気を失っていた。
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