576人が本棚に入れています
本棚に追加
同時刻。
凜華達は英理子が発見されたことに警戒し部屋を移動していた。
吹雪の間━━━━━
「最低だわ。あなたはもう少し考えて動くと人だと思ったけど過大評価し過ぎてたみたいね」
「ごめんなさい」
珍しい事に英理子が怒られていた。
怒っているのは勿論凜華だった。
「あなたのせいで私達の存在が認識されてしまったわ」
「だけど、私は一人と言い張ったのよ」
「ここまで来るまでの手段、方法、そして突然起きた温泉の事故。偶然まがいのことがここまで起きているのに疑わないでいられるなんてバカかお人好し位よ。それに相手にはあの花咲桃がいるのよ?彼女の頭脳は中々の物だわ」
「そ、そうね」
「・・・お嬢様そろそろ」
頃合いをみて美夜は声を掛けた。
「そうね・・・ふぅ・・・・起きてしまったことは仕方ないわ。花咲英理子、あなたはこの旅館から消えている事になっているわ。そして私達の存在が疑われたけどデートで頭が一杯のあの二人はすぐに忘れるでしょう。とにかく数時間は待機よ。良いわね?」
「れーいと姫が部屋から消えたーって言ったら?」
「・・・・・・」
「お嬢様、お気をたしかに」
「え、えぇぇ・・・だいじょうぶよ。大丈夫」
凜華は怒りの余り全身をプルプルと震わせていた。
「後先考えない行動・・・寧々にそっくりですね」
「あの子の方が幾分かマシよ。私の言うことは聞くからね・・・はぁー」
「落ち着きましたか?」
「えぇ・・・・・・美夜、二人を捜してきて。花咲鈴と愛雪真冬と花咲英理子は待機」
各自に指示を出し凜華は自分の椅子に座った。
携帯を開くと雄仁の部屋の様子が映し出された。
最初のコメントを投稿しよう!