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朝、教室はいつも通り騒がしく落ち着かなかった。
どこか違う場所に行こうと思った時だった。
「美森さん…だよね?」
そう私に問いかけた彼女はふっと笑って見せた。
「は、はい!み、美森です」
突然の問いかけに私はうまく対応できなかった。
そんな私を見て彼女はアハッと笑った。
「私は宇佐美千穂っていいます。仲良くしたくて…隣いい?」
友達の作り方も知らない私にとって、初めての事ですごく緊張したけど、次第に私は千穂さんと打ち解けていった。
「千穂さんは好きな人とかいるんですか?」
「あぁ…そりゃあいるよ?でも、叶わない恋だから…」
千穂さんはとても悲しそうな、苦しそうな顔をした。
私は恋というやらをしたことがない。
好きなタイプの人と巡り会わないとか、そういうことではなく…好きという感情が分からないのだ。
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