近くて遠い

キスはしょっぱい

｢真琴…｣

｢んー？｣

｢真琴のことがずっと好きでした。すごく、すごく好きです。付き合ってください…！｣

明日真は急にベンチから立ち上がり、そう言うと手をこっちに差し出してきた。

なんだかその告白の仕方が古くさくて、思わず笑みがこぼれた。

すると明日真は頬を膨らませてなんで笑ってるんだよぅと不機嫌そうにそう言った。

さっきはあんなに痛んでいた心も、今はぽかぽかしている。

｢はい！よろしくお願いします！｣

私は差し出されたその手を握って、微笑みかけた。