コッキシン

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僕とタクヤは基本的になんでも良かったので、リコに曲選びは任せることにした。リコはCDを一枚持ってきて、僕に渡した。 「その中からひとつ選んでほしい。後でタクヤ君にも渡してね」 僕はジャケットを少しの間見たあと、わかったと答えた。 それからしばらく3人で音楽について話した。 音楽の話をするのは好きだった。一番僕が僕らしくいられる気がした。 リコは意外にもロック色の強いアーティストが好きだった。なぜ意外だったかというと、スピッツが好きなのだから優しい癒し系の音楽が好きなのだと思っていたからだ。この見解は甘いということを僕は後々知ることになる。 タクヤは広く浅く音楽を聞いているようだった。誰でも知っているようなアーティストから、マイナーなアーティストまで知っていたが、それぞれの有名な曲くらいしか知らないみたいだった。 ドラムは中学の頃からやっていたようで、様々なジャンルをたたいてきたそうだ。 僕は彼らの話を聞きながら、なんとなく自分が恥ずかしい気分になった。僕は音楽は好きなのだけれど、はたしてコダワリはあるのか。僕がないか喋っても中身のないことを口に出しているような気がする。もっとも、それは気がするだけかもしれないし、そうでないかもしれない。
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