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帰ってから僕はリコから貸してもらったCDをパソコンに取り込んだ。
安いアパートに一人暮らしで、CDプレイヤーもないのでわざわざパソコンに取り込んで聞かないといけない。
パソコンに取り込んだ曲たちをウォークマンに転送し、僕は窓から見える景色を見ながらスピッツの聴いた。
夜景とスピッツは合わなかった。合わないと言い切ってしまうのは良くないかもしれない。厳密に言うなら、スピッツのアルバム「フェイクファー」は夜景とはいささか合わなかった。
どこかで聞いたことのある1曲――おそらくシングルカットされであろう――以外は、闇とは馴染めなかった。
僕はカーテンを締めて、今度は天井を見上げながら曲を聴いた。
タクヤはこのアルバムを聴いたら何を思うんだろう、と思った。現実主義的な面のあるタクヤは気にいるのだろうか。
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