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学校から歩いて30分のところに彼女の家はあった。
やはり建物は立派で、庭もたいそうなものだった。母屋から少し離れたところに例のアレがあった。
タクヤは尋ねる。
「このガレージみたいな建物が防音の?」
「うん。ドラムセットも置いてあるよ。たまに近所の人も使うけど、だいたいは使えると思う」
中はわりと質素な感じだった。全体的に灰色と白の室で、壁の小さな穴やエレクトーン、ピアノ、オルガンは音楽室を連想させた。
リコは隅におてあったエレキベースを持ち、チューニングしながら僕らに訊いた。
「スピッツとか弾ける?」
タクヤと僕は、有名な曲なら弾けると答えた。
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