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「あー? 人間が影を恐れたらだあ?」
「そうそう。案外面白いもんだったぜ?」
「またお前はそんな悪趣味な事してやがんのか。」
「うるせえよ。
ほら、この人間とか見てみろよ。」
「あ? 何だよこいつ。どうしたんだ?」
「その実験さ。こいつで三人目なんだけどよ、こいつ、前の二人とは全然違ってな。」
「ほう。前の二人はどうしたんだ?」
「簡単だろ、影から逃げてるときに車にドーン、橋からボチャーン。」
「なるほどな。じゃあこいつは何で家の中で笑っていやがるんだ?」
「それがよ、こいつ、影が家の中に入り込んだと思い込んでよ、恐怖で気が触れたって訳。」
「…どこが面白いんだよ。馬鹿だな、としか思わねえよ。」
「その馬鹿さが面白いんじゃないか。」
「…お前は、性格が悪いな。」
「人間みたいな事言うなよ。」
影など存在できない、光に満ちた空間で、光源であろう輝く者達が、時折笑いながら話をしていた。
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