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ひやり
まるで大理石にでも寝転がっているようなつめたさを感じる
その刺激で少しずつ脳が覚醒しはじめ、何となく今自分は床にねそべっているのだと理解した
それから深海から水面に浮いていくようにゆっくりと意識がもどっていく
「……ん」
自然に床に手をついて起き上がる
その動作が終わり目を開いた瞬間
俺の意識は完全に覚醒した
「……どこだここ…?」
ぐらぐらと痛む頭を片手で抑えながら俺は周りを見渡す。周りはどこまでも続いており真っ白だった。
上も下も右も左もどこもかしこもである
けれどもしっかりと俺は立っている。
なんだかふわふわした不思議な感覚に襲われながら気持ち悪いくらい真っ白なこの空間をもう一度見渡した
死んだのか……?俺って……
ふと、そう思った。脳内の最後の記憶はずいぶんと曖昧だが、客観的に見て死んでもおかしくない状況だったように思うからだ
不思議なもので変に俺は冷静だ
あぁ…まだクリアしてないゲームあったのになぁ……。母さん……先に逝ってごめんな……、父さん…はげた頭をからかってごめん…、でもやっぱりアデ〇ンス電話した方がいいと思う
…なんて親思いな俺っ…!
ってあほか。
まだ死んだっていう実感がない(というか死んだという確証もない)からか、どうも気持ちがシリアスになれん
そんな事を考えている内に頭の痛みが消えていた
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