キミヲオモウ

「そんなに欲しいものなの？」

瞬はすぐに彼女をつくるが一ヶ月ともたずに別れる。

何が原因なのか当の本人はわからないらしいが。

「欲しいさ！だって一人は寂しいだろ？」

「別に。……ていうか、僕がいるじゃん」

と言えたらどんなにいいことか。

「……僕は別に寂しくない。彼女なんてほしいとも思わない」

僕は、幼馴染みとしてでも瞬がいればそれでいいんだ。

「蒼って変わってるな」

「別に普通だよ」

確かに、高校生にもなって未だ誰とも付き合ったことがないというのは珍しいのかもしれない。

だけど僕は、昔から瞬のことが好きで、瞬以外の人なんて考えたことがない。