第1章《邂逅》
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自分に辞令が下されたのは、冬の彩りが未だ残る弥生の頃でありました。行き先は記憶に残る、知っていながらに、知らない場所。些か荷の重きを感じながら、然りとて奮い立つ自我がない訳ではなく、人生の岐路に相応しいような、やりがいのある場所。夕雲を眺めては、期待と不安を感じておりました。
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