†無欲無敵† 黒田如水編

７将 逆境

「我は先が短いゆえに、野心と欲に無縁でいられる。

　しかし官兵衛殿の人生には、これからも長い道がある。

　大きな夢を持ち、秀吉公を支え、押し上げていってほしい」

　半兵衛が優しく語りかける。

　やがて二人は、保木城に到着し明石景親に面会をしていた。

　二人の軍師に説得されて景親は進んで協力を誓う。

　景親は直家に話を持ち掛け調略は、見事に成功する。

　二人は字喜多家から人質を連れて本陣に戻った。

「良くやってくれた」

　秀吉は、大喜こびで出迎えた。

　秀吉軍は、三木城包囲を継続している。

　官兵衛は、単身で調略を行い周辺緒城を再度味方につけることに成功していた。

　やがて、織田の援軍が撤退する。

　奮起した秀吉が攻撃を仕掛けようとするのを半兵衛が冷静に止める。

「ここまで、待ったのですから、じっくり構えましょう」

　秀吉は思い止まり、月見の茶会を催す。

　数日後、副将の荒木村重が秀吉軍から突然消え去った...。