8将 有岡城

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 官兵衛は、急ぎ、村重が篭る有岡城に出向く。  政職は、村重に使者を遣わしていた。 「官兵衛がそちらに向かっている。  到着後、直ぐさま処刑してほしい」  村重は官兵衛と懇意であった。 『小寺官兵衛じゃ!  荒木殿に話がある!』 「どうぞこちらで、お待ち下さい」  有岡城内の一室に通される。 『なんとか会えそうだな』  官兵衛は、胸を撫で下ろした。  説得するべくあれこれと思案している。  しばらくすると、10人の屈強な男達が突然乱入してきた。 『罠であったか。何をする。  荒木殿は、何処じゃ!話をさせろ!  荒木殿。荒木殿!』  官兵衛の叫び声が、虚しく城内に響き渡る。  官兵衛は、あっと言う間に取り押さえられて、土牢に閉じ込められた。  村重は、会うことを避けた。 「許してくれ、官兵衛殿」  村重は、苦い顔で辛そうに呟いていた。
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