277人が本棚に入れています
本棚に追加
官兵衛は、急ぎ、村重が篭る有岡城に出向く。
政職は、村重に使者を遣わしていた。
「官兵衛がそちらに向かっている。
到着後、直ぐさま処刑してほしい」
村重は官兵衛と懇意であった。
『小寺官兵衛じゃ!
荒木殿に話がある!』
「どうぞこちらで、お待ち下さい」
有岡城内の一室に通される。
『なんとか会えそうだな』
官兵衛は、胸を撫で下ろした。
説得するべくあれこれと思案している。
しばらくすると、10人の屈強な男達が突然乱入してきた。
『罠であったか。何をする。
荒木殿は、何処じゃ!話をさせろ!
荒木殿。荒木殿!』
官兵衛の叫び声が、虚しく城内に響き渡る。
官兵衛は、あっと言う間に取り押さえられて、土牢に閉じ込められた。
村重は、会うことを避けた。
「許してくれ、官兵衛殿」
村重は、苦い顔で辛そうに呟いていた。
最初のコメントを投稿しよう!