8将 有岡城

5/5
前へ
/234ページ
次へ
 官兵衛は、必死耐えていた。 『生き残ることに価値がある!!  必ず助けは来る』  強靭な精神で希望を失わない。  体が蝕まれていくなかで、視力も弱るなか、精神力だけが 継続して保たれていた...。  やがてそれさえ揺らぎ始めていた。 『秀吉軍にわしが居なくても、何の支障もあるまい。  わしが、居なくなっても世の中は何も変わらない。  生とは何なのか?  死とはなんなのか?』  官兵衛は、底無し沼のように深い絶望の中にいた。
/234ページ

最初のコメントを投稿しよう!

277人が本棚に入れています
本棚に追加