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「ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
ある八月の早朝。
悲鳴が空気を切り裂いた。
「…またか……。」
ため息混じりに呟くと、フライパンを置いてキッチンの窓からチラリと外を覗いた。
そこにはごみ置き場の前で尻餅をついている近所の奥さんが見えた。
どうやらこの人の悲鳴らしい。
いつもの事か、とそれほど驚きはしなかったけど
ただならぬ様子だったので外に出てみた。
その人はまだ尻餅をついたままだ。
「どうしました!?またですか?」
「…あ、あ、こ、これが……。」
彼女の指差した方を見ると何やら茶色い細長い物がある。
……ん?…ソーセージ?
近づいてよく見た。
「…え?……何?…………!
きゃ、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
それは
『指』だった。
深紅のマニキュアが朝陽を浴びてキラキラと輝いていた。
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