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「やあやあやあ、お待たせ!」
扉の方を向くと、クリーム色をしたロングヘアを揺らしながら、褐色の肌をした女性がズカズカと入ってきた。その少し後ろから黒縁の眼鏡をかけた、物腰の柔らかそうな青い髪の男性がブリーフィングルームに入る。
男は僕たちの顔ぶれを確認すると、期待を裏切らない柔らかい声を発した。
「揃ってるみたいですね。私が第十二小隊の隊長を務めます、カインです」
「うちがお前らの先輩、副隊長のジョシュアだ!」
最初に大声を上げながら入ってきた女性ーージョシュアは僕たちの前に立つと、赤い瞳の目を細め、何故か睨む様に見渡す。
「ジョシュア様と呼べ! このペーペー共が!」
「ええ?」
あまりに突然の事に驚く僕とレン。するとジョシュアが今度は本気で睨んできた。
「なんだ、文句が…」
「こらこら、後輩をいじめるんじゃないですよ。これから仲間として同じ小隊でやっていくんですから」
「ちっ、しょうがねえな」
ジョシュアは舌打ちをすると、渋々一歩後ろへと下がった。容姿は可憐なのに、なんて破天荒な人なのだろうかと、会って数秒なのに同じ小隊としてやっていくことに不安を感じてしまう。
「さて、シュウくん、レンくん。それにコノハくん。君たちは今日から晴れて、蒼天の騎士団の三級騎士となりました」
蒼天の騎士団では入団すると三級騎士という位を与えられ、その後年月や功績によって、二級、一級騎士と上がっていく制度になっている。
ちなみにジョシュアは二級、カインは一級騎士。級によって正装が若干違うので、知っていれば簡単に判断できる。
「知っての通り、騎士団では五人一組の小隊で任務に当たる事となります。特にメインの任務である遺跡探索はいつ何時でも死と隣合わせの状況ですから、基本的には私たち先輩騎士が軸となり、探索に当たるわけですが…」
カインが人差し指で眼鏡をクイと上げる。
「君たちは騎士団に所属した時点で一人前の騎士。ゆくゆくは私やジョシュアくんのように隊を引っ張っていかなければならない存在になるでしょう。慣れるまでは私たちが軸となって動きますが、その事を自覚して任務に当たって下さい」
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