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覆われた雲によって、頂上が確認出来ないほど天高くそびえる山脈。それに囲まれたまるで緑の絨毯のような広大な草原。その中央付近に存在する白を基調とした街。そして、その中でも一際目立つ大きな城。
その全貌は実に幻想的で、上空からそれを眺める事が出来たなら、まるで雲海に浮かぶ一つの島のように見えるだろう。
しかし、そこはその幻想的な全貌とは裏腹に、そびえ立つ山脈によって外側との関わりを閉鎖された一つの世界。
人々はその山脈の外側にどんな世界が広がっていて、どんなものが存在しているのかは何も知らない。
好奇心旺盛な何人かが、山脈を越えようと街から旅立っていった事もあったが、山脈に辿り着く前に帰ってくるか、いくら待っても帰ってこないかのどちらかだった。
やがて人々は年月と共に外側への興味を無くし、内側で平和に生きていく事を選んだ。
しかし、その状態も永くは続かなかった。
数十年前、大きな揺れと共に地面に巨大な穴が現れた。そして、そこから湧き出す異形の者【モンスター】。
それらは平和に暮らしていた人々を襲い、恐怖へと陥れた。が、やがて人々の知恵と勇気によって、その穴は塞がれ、再度平和が訪れることになった。
数年後、調査によって発見された、巨大な地下遺跡の存在。そのあまりの巨大さに人々は驚くと共に再びある期待を抱くようになる。
外側との関わり。
この地下遺跡の先は山脈の外側へと繋がっているのではないか。人々は長年の夢を叶えるべく、モンスターが巣食う地下遺跡の調査を始めたのだった。
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