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入団式が終わると、新米騎士たちはバラバラと式中に言い渡された所属隊のブリーフィングルームに向かい始めた。
僕が所属することとなった第十二小隊のブリーフィングルームに到着すると、既に二名の新米騎士が集まっていた。
「ついに俺らも騎士になれたんだな、シュウ!」
ブリーフィングルームに入った僕を見るや否や、金色に染まった少し癖毛のある髪をした男が拳を振り上げながら叫んだ。髪の右サイドを編み込み、それをピンで留めた特徴のある髪型をしている。
「うん、そうだね。 それにしてもレンと同じ小隊とはね」
僕は見知った顔を確認すると微笑んだ。レンとは小さい頃から一緒に行動していて、いわゆる親友というやつだ。
「ああ、全くだ! これからもよろしくな!」
僕は差し出された右手を握ると、もう一人の新米騎士へと顔を向ける。その際、肩まで伸ばしている銀髪が左頬にある三本の傷跡をくすぐるが気にしない。
「君もよろしくね。えっと…」
「コ、コノハです。え、えっと。よ、よろしくです!」
コノハと名乗った年齢の割に小柄な女性は緊張しているのか言葉に詰まりながら、差し出した右手を両手で握る。
橙色の髪が乱れるほどの勢いで頭を下げたので、肩に乗っていた猫のような黒い生き物がバランスを崩し、コノハの頭へと飛び移った。
「よろしく、コノハさん。えっと…」
「その生き物はなんだ?」
微笑みながら挨拶すると、レンが割り込んでくる。
「あ、この子はココっていいます。私が小さい頃から一緒なんです」
コノハが再び肩に飛び移ったココの頭を撫でながら言った。
「そうなのか。ま、よろしくな。コノハとココ!」
レンが差し出した手をコノハは先程と同じ様に大袈裟に「よろしくです!」と両手で握る。
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