プロローグ ~大航海時代へと~ 

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 青い海に照りつける太陽…そこを威風堂々進む一隻の船  帆には大きなドクロマーク  その船の一番大きなメインマストの上にある見張り台 「…おーい!なんか海に浮かんでるんだけど…」 「ホントだ!…う~ん…人?」 「え!?死んでるの!?」 「まだ鳥たちが集まってないから生きているのかも?」 「まぁ、みんなに報告するか」 「そうだな~」 ガチャッ “…あー…報告!報告!13時の方角に、人らしき物発見!…繰り返す!13時の方角に人らしき物発見!現在漂流中…至急引き上げよろしく!”  その放送後、甲板には多くの人が集まってきた。 「…引き上げられか?」 「シオン。まだだ。今キャスタニエブラザーズが引き上げに行っている」 「そっか」 「ぷはっ!みんな!救出してきた。」 「縄下ろしてくれ!」  双子はそう言うと、溺れた人間を抱えて器用に縄を使い甲板に戻ってきた。 「お疲れ!どうだ?」 「大丈夫。水をいっぱい吸ってるだけで、生きている!」 「じゃあ人工呼吸やって医務室にでも運んどいて」 「!?…シオン!」 「どうした?今度は?」  首から下げている物を持ってシオンを呼ぶ。 「こいつ…金を持ってる!」 「ほら!このペンダント!」 「…金ではないな?…でも珍しい宝石かもしれないな…」 「どっかのぼんぼんなのかぁ?」 「だとしたら、家出かなんかで嵐に巻き込まれたんかぁ?」 「…よく見たらこいつ。奇天烈な格好をしていやがるぜ。  最近の陸の流行か?」 「お前らの方がそういうの詳しいでしょ…」 「詳しくないよ」 「こんな恰好だったからやたらと重かったのかな」 「見たことない服だな…う~ん、医務室変更。こんな怪しい奴は地下の牢屋に入れる。  あ、ペンダントは俺がもらう」 「えぇ~!?見つけたもん勝ちっていつもいってるのに」  双子はすかさず文句を言う。 「俺を呼んだのが運のつきだ。双子にはあとで褒美な」 『でも~』 「それに、お前らより俺の方が似合う♪」 「♪、つけたって別に可愛くないから」 「そうだよ!」 「あとで酒やるから!」 「ちぇ」 「もう、みんなシオンなんかほっといておやつ食べよう!」 「えぇ!仲間外れ反対!」 『さっきのお返し!』 スタスタスタ 「…そんなに欲しかったのか?これ…あれ?これって…」
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