23人が本棚に入れています
本棚に追加
ドタドタッ
ガチャッ
「シオン!今波が荒れた領域に入っちゃったみたいで…」
「あちゃ~…ハタが…航海士のやつ上で寝てるから…」
「起こしていいのか?」
「機嫌悪かったら俺のせいだって言っとけ」
「へいへい。だから気をつけろよ!…そいつなんか頭ぶつけて痛がってるぞ…」
「へ?…あ、おい!大丈夫か?」
「痛い…」
(…っていうか…さっきから会話聞いてて…なんか違和感があるんだけど…)
「波が高いって…何でそんな時に船なんか出したのですか?」
「そんなときに出した、っていうかその海域に踏み込んじまったんだよ。
船は一カ月も前からずっと航海中だぞ?」
「はぁ?一カ月??このご時世に、一ヶ月もかかる?一体何を運んでいるんですか?」
「このご時世?…いや、俺らは別に何も運んでないけど?」
「何も…運んでない?」
「だって俺らは海賊で、運び屋じゃないんだから」
「か、海賊!?」
コニスは思いっきり驚いてしまう。
「あれ?今更…?さっき、海賊船って言ったじゃん」
「今更じゃないです!!…だいたい海賊とか古いです。
そんな一カ月もかかる航海なんてありえません!
そんなのモーターエンジン使えばいいじゃないですか!大きそうな船だし!」
「…奇天烈ボンボン?」
「コニィです」
「あ~…悪い。コニィ。お前こそ、何を言ってるんだ?
というか、何んのことだ?」
「は?」
「さっきから、このご時世にありえないだの、海賊ありえないだの
…しかもモーターエンジンって何?」
「し、知らない…?」
「は?」
最初のコメントを投稿しよう!