Only Break

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  『ねぇ、きらっ!!』 『なぁにー??』 『ぼく、おっきくなったらね??』 きらをお嫁さんにするから!! 『……きらを?』 『うん!!』 『ほんとに?』 『ぜったいだよ!!』 『じゃあ、きらは』 世界一かっこいい旦那さんのお嫁さんになるね!! また夢をみた 幼い頃の夢 忘れてるのかな、あいつは 俺はこんなにも鮮明に覚えてる あの日からずっと変わらずに、君を見てきたから 「ジェジュン!!」 「あー?」 「おっそいぞー」 「何だよ、お前も今走ってきたみたいな感じじゃん」 「もー、二人ともやめなさいってば」 遅刻しちゃうよ? 毎朝二人で学校に通ってた 高校になれば友達が増えて、俺と煌、愛と三人で通うようになった 邪魔なんて思わないけど、取り敢えずウザイ 煌より断然、頭は悪いけどカンがいい 『あんた、煌の事好きでしょ』 初めてそう言われたのが高一の夏 それからしつこく聞かれ続けて認めたのが高一の秋 それからはよく進展を聞かれる 俺は全く変わらない応えをする んで、呆れられる 「あのねぇ、煌が待ってるの分かんないかな?」 「んなわけないじゃん」 「あんたねぇ、一番付き合い長いくせにそんな事も分かんないの?」 ほんと、愛想尽かされるよ、ヘタレ 「うっせー」 「何よ、私が折角忠告してあげてるのに」 「頼んでないし」 「あら、この前煌が告白されてるの邪魔してあげたの誰だっけ?」 「……」 「もうしないわよ?」 「これからもお願いします(棒読み)」 「よし、許してやる」 「二人で何してるの?」 「えー?」 可愛い煌ちゃんには内緒ー そんな事を言いながら、煌にまとわりついて頬にキスをする愛。 「もー、愛ったら」 「やー可愛いっ!!」 煌は私のアイドルだわー と、むぎむぎと抱き締めてじゃれついてる。 少し背が高めな愛は正直綺麗だしモテる。 でも今は煌しか眼中にないみたいで絶賛独り身満喫中。 俺は、まぁ独り、お察しの通り。 煌は今は愛のおかげで(せいで)男は近寄れない。 昔は俺にぴったりくっついてたし。 すっげぇ可愛いのに、彼氏はできたことない。 「ほらぁ、愛、ジェジュン」 帰るよー? それぞれ物思いに耽る俺達を上手く纏めてしっかり手綱を握ってる。 「そーだ」 大学、決まった? 愛が俺達に聞く。  
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