屋上

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しばらくの間、ぼくと姉は黙って夕日を眺めた。 「少し寒いわ。傍へ寄っていいかしら?」 姉がぼくに寄り添う。ぼくの腕からは、もう姉を突き落とせるような力は消えていた。 二つの影が、まるでひとりぼっちの人間のものであるかのように重なっていた。
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