甘いお菓子、ソレはキミ

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   熱い色を宿した冷たい瞳が、ボクの心と身体を熱くする。眼が放せなくて私はただキャロの瞳に囚われたまま、ピクリとも動かなくなる。舌を口の端からチロリと覗かせるさまは、妖艶で、イヤラシさ、アダルトさを醸し出して…。ゾクリと身体が震えた。 「アラン……覚悟しとけ?」  クチュッという音を立てて、ボクの首筋に口付けをおとす。ビクリとボクの身体が震えて、聞いたこともない、出したこともない高い、熱の籠った声がボクの口から零れた。 「…ぁ…ッ!」 「かぁわいぃ声……」  クスリ、と笑ってキャロは耳元に唇を寄せた。 「ホントはもっとアランのヤラシイ声聞きたいけど、まだアランには早いからね……我慢我慢」  ネットリとした熱い舌がボクの耳を刺激する。身体中を甘い刺激が駆け巡り、足が竦みそうになった。  こんなの、他の女にもやったんだろうな……。慣れてるし……。  そう黒い考えがボクの思考を支配する。醜い嫉妬だ。きっとボクの初めての相手はキャロだけれど、キャロにとっての初めては別の女。(確か学校の先輩だったかな) 「キャロ……」 「アラン、大人になったらな」  よしよしと頭を撫でられて、ちょっと悔しかったけれどなんだか嬉しかった。ボクは顔を背け、ギュッとキャロの服を握り締めた。 「他の人とも、シたんだよネ……?」 「まぁ……。年のわりには結構な女抱いたけど……」 「……」 「またヤキモチ?」  ニヤリと笑うキャロ。急に照れくさくなって、ボクは唇を噛み締めた。 「みっともない……?」 「え……?」 「こんなヤキモチ妬いて、ボク……みっともない……?」  涙が零れそうになった。惨めでみっともなくて……涙がどんどん溢れていていく。そんなボクを見てキャロは苦笑を浮かべると、ボクの身体を抱き締めた。 「嬉しいよ」 「え……?」 「アランの嫉妬は、甘い」  額に口付けられ、キャロは瞳を細めて笑った。
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