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キャロは誰にでも優しいから、ボクだけに優しいわけじゃないんだ。
小さな頃からずっと一緒で、(ボクの両親と、キャロのお母さんでずっと暮らしているから)小さい頃は確かに頼りになるお兄ちゃん、て存在だったけど今は違う。
気付いたら兄妹、ていうよりも異性として見ていて、最近ようやく告白した。
キャロもボクが好き、て言ってくれて…すごく嬉しかった思いをしたのは本当に最近の話し。
だけど、コイビト同士なのに、キャロの態度は以前と変わらない。
逆にボクに構ってくれなくなった。
それがもどかしくて、悲しくて、ボクは気付いたら醜い感情に呑まれていて、戻れなくなって。
キャロに関わるモノ全てにボクは嫉妬してるんだ。
「な、泣くなよアラン」
「泣いてない……ッ」
ポロポロと涙が溢れて零れる。
目の前にいるキャロが溜め息を吐くのを感じた。
あぁ、呆れてる……。ボクに呆れてるんだ……。
「……アラン、ごめんな?」
「うっさい……ッ」
肩を抱こうとしたキャロの手を叩き落とす。
今抱き締められたら、きっと大泣きしてしまう。
そんなみっともないこと、キャロの前で出来ない。
「キャロの馬鹿ッ」
「うん」
「おたんこなす、阿呆、人参、ロリコン、スケベ、変態、満年発情期ッ!」
「……う、うん」
「………女ッタラシ」
「ちょっ、それはオレに超失礼」
声をあげて泣きそうになるのを、キャロの悪口を言うことによって押さえてみる。
キャロは怒りもしないでボクの言葉を聞いてくれる。
それが何故だか嬉しかった。
ポスッとボクの頭に大きなキャロの手が乗せられる。
顔を上げると、キャロは優しく微笑んでいた。
「あ~んな小さな子にヤキモチ妬いちゃう程オレが好き?」
「う…自惚れな……ッ!!」
「じゃあ、オレさっきの子んとこ行ってこよ~かなぁ?」
「ッ!!だ、だめッ!!」
踵を返し、さっきまで居た子が駆け出して行った方へ向かおうとするキャロを、後ろから抱き付くことで制する。 一瞬、キャロの身体が強張った気がした。
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