甘いお菓子、ソレはキミ

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 キャロはボクのコイビトだって、知ってるのに、エリザは常にキャロを狙ってる。なんて猫被り女。隙あらばキャロをボクから奪おうとしているんだから。  キャロが離れてしまったことで、エリザは少し(いや、キャロがいなければかなり)嫌そうな顔をしていた。ざまーみろ。キャロはボクのだ。 「で、なんの用事?」 「あ、あのねアラン、ウィーバー先生が古代語の書物を翻訳お願いだって」 「また?」 「うん!」 「ボクの専門じゃないのになァ」  これは本当ならキャロのお母さんのお仕事。もしくはキャロの。ボクはその補佐をしているうちに、少し覚えただけだから。  ボクがあからさまに嫌そうな顔をしていると、キャロが肩を叩いた。 「イタイ」 「そんなに強く叩いてません。アラン、行って来いよ。手伝ってやるから、資料貰ってこい」  またそうやってボクを煽る様に笑うんだね。ボクがちょっと怨めしそうに睨むとキャロは愉快そうに笑う。 「え~……キャロがやって」 「オレは古代語は専門外ー。母さんも。親父ならできたんだろ~けど、うち、親父はオレが生まれる前にいなくなっちまったし」  頬をかきながらキャロは言った。 「ご、ごめッ」 「んにゃ、気にしてない」  キャロは軽快に笑うとボクの肩を押す。  なんかキャロの傷口に触れた後に肩なんて押されたら行くしかないじゃん……。  ボクは渋々エリザと一瞬にウィーバー先生の所へ向かうことにした。溜め息を吐き、街へ向かおうと足を一歩進めた時、キャロが急に腕を掴んできた。 「ッ!!」 「アラン?」  キャロに腕を掴まれたまま動けないボクを、エリザが怪訝そうに振り返ったと思ったら怒りを露わにした表情を向けた。  なんでコイツにそんな顔されなきゃいけないのさッ!! 「ごめ、エリザッ!!」  でも律義に謝るボク、て大人? 「もう、早くしてよ。あたしも忙しぃの」  そんでもって、態度を露わにするコイツはまだまだ子供。  少しだけ優越感。 「ごっめぇんね、エリザ♪ちょっとオレ、アランに話しあるんよ。先行ってて?」  ニコリ。  お得意の笑顔でエリザに言う。この笑顔を見た女がNO!なんて言えないことをボクは知っている。(キャロはそうやって女を何度も落としてきた)
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