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腰から、残弾1の44マグナムを取り出す。
祖父が山中に託した、地上最強のハンドガン。
ゆっくりと安全装置を解除し、引き金に指をかけ、
それを桃井の頭に照準を合わせる。
「どういうことか説明しろ。」
冷徹な、氷のような声が彼自身の鼓膜を震わす。
『…………。』
「…………俺は、虚空の桃太郎を抹殺しに来た。
だから、
回答次第ではあんたを殺す。」
『回答次第、か。』
きびだんごが深くため息をつく。
それは、深い懺悔と後悔を含んだもののように聞こえたが、
しかし、今の山中にはそんなことは感じとることができなかった。
「あんたが本当にこの国のこの有り様に加算していたというのなら、
三分後にあんたの頭はないと思え。」
カツ、カツ、と軍靴を鳴らしながら、徐々にその距離を詰めていく山中。
ただし、しっかりとその照準は頭に当てたまま。
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