本来在るべきモモタロウ

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しかしきびだんごはこれといって動揺するでもなく、ただ穏やかにこちらを見つめて。 『…ウルトラヒーロー。』 「は?」 おおよそ想像もつかなかったワードの発現に拍子抜けした山中は、少し照準をずらしてしまった。 「そんな言葉でごまかすな! 俺は今、なぜあんたが超人を語ったのかを聞いて――――」 『―――仮面戦隊、美少女戦士。 かつて日本には、無数といっていいほどの超人が想像の世界で作られていた、 テレビという枠組みの中でな。』 「だからそれがどうし――」 『当時の子供たちは、彼らの何に惹かれてその物語にはまりこんだのだと思う?』 「なっ…………」 ―――それが今なんの関係がある!? ヒートアップした山中の頭は、さらに熱くなるばかりで。
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